いくりんのブログ

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

ソンナコトナイヨの世界(仮)

 明日2月19日(水)に日向坂46の4thシングル「ソンナコトナイヨ」がリリースされます。めでたい!!!!!

 推しメンが活動休止中にもかかわらず、何もなかったようにさりげなく遠い場所から見守ってきた私ですが、今回のシングルは好きです。ドレミと同じぐらい好きかもしれません。まるで催眠術をかけられたみたいですが、そんなことはなく現実です。ソンナコトナイヨに出会うまで何かがいつも足りないと思っていたのですが、それは王道アイドルソングというやつでした。好むと好まざるとにかかわらず、こういう曲があるとライブは楽しいと思います。こんなに好きになるとは思っていませんでした。

 

 彼は、友達の女の子に恋する気持ちが信じられず戸惑っていました。出会ったばかりのころはそこまで感じることはなかったけれど、付き合ううちに、自分の中で足りなかったピースがその子だということが分かってきたのです。特に、いきなりポニーテールに髪を束ねた彼女を見たとき、心の中でパチンと弾ける音がしたそうです。直接聞いたことがあるわけではないので分からないですが、そういう音があるらしいです。いわゆるキュンキュンしたのだと思います。

 昔は、その子とは一緒に近くのスケート場に通っていた、幼馴染みたいな感じでした。彼女の滑りは昔から美しくて、自分も負けてられないと思いながら切磋琢磨したものです。だから、お互いに何でも言いあえるような仲だと思っているし、何でも言いあいたいと思っていました。居心地の良い関係性を継続する方が幸せだったのかもしれません。もっと好きになって良いことなんてあるのかと思います。こんなに楽しい友人との思い出を壊してしまうのはさすがに怖い。しかし、恋する気持ちが結局嘘を付くことができなかったのです。たとえ一方通行な恋だったとしても関係性を昇華させたいと彼は思いました。

 

 その女の子には、好きな人がいて、その人のことを思うと居ても立っても居られなくなるタイプです。親友の彼(そうです、この彼は先ほどの彼でこの女の子のことが好きなのですが)に、何時間もかけて好きな人が言った言葉について「あーだ、こーだ」と言いあっています。その時間は無駄とは言えませんが、なかなか彼にしても自分の前で好きな人が別の好きな人の話をしているのを聞いて歯がゆい気持ちですよね。彼女は好きな人が自分の中心なので、自分の気持ちにブレーキを掛けることができませんし、愛されているのか常に不安に感じて生きています。好きな人に対しては愛情表現を惜しむことはありません。なぜなら、好きな人がいなかったらこの世で自分が生きていく価値なんてないと思っているからです。

 

他には何も欲しくはない あなただけいればいい

 

なんてことを言われてしまうと少し、重いと感じてしまう人がいます。あまりにも愛されているから、嬉しいと言えば嬉しいし、苦しいと言えば苦しい。好かれることは美しいことだとは思うのですが、どうしても自分の気持ちがそこまでの熱量をもってついていかない。彼女のことは好きで、大切な存在だと思っていますが、彼女だけの自分で居たいとも思わないのですね。

 

どちらかというと男の人から好かれる方が私は嬉しい

 

と心の中で思ったりするのですが、彼女のことを傷つけるかもしれないと思い、伝えることはできずにいました。確かに、彼女は自分のことを愛してくれているし、自分も彼女のことは好きだと感じていて、彼女とはうまくこれからもやっていきたいと感じています。自分は弱い人間で醜い人間だと思います。そんな彼女の愛を裏切ってまで、情けない女だと。

 

 ある日、好きな子と一緒に美容院に行って、髪を切ってもらうことにしました。髪の毛の長さがどうだろうと、好きな人と一緒にいられたらそれで幸せだと思っていました。

 

奈良美智の絵みたいだね 可愛くない

 

そんなことを言われるとは思っていなかったので、状況がよく理解できませんでした。そもそも奈良美智って誰なんだと思いました。そこでおうちに帰って、奈良美智の絵を検索して見ることにしました。そうすると切りすぎた前髪のこけしみたいな絵が出てきました。

 

なんだこのこけし!?

 

と思いました。自分は好きな人にこんな風に見られているのか?とショックを受けました。確かに子供っぽい顔も髪型もしているかもしれないけど、好きな人に言われた言葉が悲しくて、辛くて、やりきれない思いでした。

 

ソンナコトナイヨ

 

まるで、棒読み。もうちょっと気の利いたトーンで物が言えないのかと思いました。そこには親友の彼がいました。「似合ってる」と彼は言ってくれました。その言葉が褒めているのかけなしているのかは正直よくわかりませんでした。どちらかというと馬鹿にしてるんじゃないかと私は思いました。いちいち言ってくるなとも思いました。ただ、彼の目がいつにもまして真剣で、その言葉に嘘が無いことを嫌でも感じ取ることができました。だから今思い返すと、その言葉を言ってくれた彼に感謝しています。彼とはずっと長い付き合いで、難しい想いをしている私をいつも励ましてくれていました。そんな彼からの熱い想いを聞いたとき、私は本当に大切な人がこんなに近くにいるのに、なぜ今まで気づかなかったのだろうと思いました。

 

どこにでもいるようなタイプなら こんなに好きにはなれないよ

 

 鏡の前でちゃんと自分を見てみて、確かにこれは短すぎて変だなとは思うけれども、これはこれで面白くていいかなと思いました。彼にとって私はずっとはめたいと思っていたドレミのファのピースでした。ドレミファソラシドなんて単純な音階で愛なんて語れないけど、ファの音が無い世界より、ある世界の方が色鮮やかで面白い毎日が私の未来に待っているような気がして、なんだかそんなよく分からないことを言ってくる彼のことが愛しくなりました。

 

終わり

 

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ソンナコトナイヨの分析

 


日向坂46 『ソンナコトナイヨ』