いくりんのブログ

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

守屋茜のこれから

こんにちは。COVID-19の影響はますます拡大しているようで、少しばかり鬱屈した日々を過ごしております。まだ、持ちこたえている方なのかもしれませんが、予断を許さない状況ですね。東京は特にそういうムードが強いような気がします。

 先日、BUBKA5月号を購入しました。表紙は欅坂46守屋茜さん(以下、「あかねん」と呼びます)。私は、あかねんのことはとりわけ好きだと言ってきたわけでもないのですが、欅坂46のメッセージアプリが始まったときからずっと取り続けているメンバーの一人で、陰ながらずっと応援してきたメンバーです。単純に綺麗だから好きというのももちろんあるのですが、すごく人間らしくて好きなんですよね。

 彼女は「軍曹」と呼ばれていたような時期もあり、“オラオラ系”で怖いイメージを持っている人もいるかもしれません。それはそれでその人の受ける印象なので否定はしませんが、個人的には、結構彼女はビビりなところがあると思っていて、そこが可愛らしいのです。大っぴらに自分の弱みを出したりはしないけれども、自分で誰かのことを弄ったり面白おかしい話を自由に発言したりすることはあまり得意ではない。それは、バラエティ番組などではネタの範疇であれば面白さに繋がるので本来ならばやっていくべきことなのでしょうが、欅坂46というグループの一員として、その色からは外れることのない、ある種内向的な性格をしていると思います。

 欅坂46というブランドイメージは良い方向に働くこともあればそうではないときもあります。クールでカッコよく楽曲の世界観を大切にするスタンスのパフォーマンスは、多くの人の胸を打つものがあったと思うし、平手友梨奈さんを中心に欅坂46は他のアイドルグループとは全然違う良さがありました。しかし、そのイメージカラーに引っ張られて、バラエティ番組では特にどこかしら内気で暗く、盛り上がりに欠ける印象を抱く人も多かったと思います。

 欅坂46の方向性が固まっていくにつれて、“どう見られているか”が先行してしまい、“どう見せたいか”という発想が固定化していったようなイメージがありました。それはファンが求めているものだからという理由で正当化されていきます。それを求めている人は多いですし、私も欅坂46のライブの独特の世界観をまた味わいたいと思っているのですが、それ“だけ”で良いかと言われると物足りなさを感じなくもありません。彼女たちの楽曲に込められた「思い」を大人や社会や周りの人間や自分自身に対して「ぶつける」行為が実は彼女たちはあまり得意ではない。あれだけ曲中で強い意志で叫んでいるのに、優しくて思いやりに溢れていて、思ったことも胸にため込んでしまう(そうではなく陰湿な性格だと思っている人もいるでしょうが、それは見え方の問題であって、実際は同じことを指しているような気がします)。そうしたパラドックスが、“情緒不安定”なグループの体制を象徴しているのかもしれません。

 しかしながら、あかねんはキャプテンの菅井友香さん(以下、「ゆっかー」と呼びます)とともに、グループを盛り上げようと奮闘しているように見えます。これはここ数ヶ月の話だけではありません。二人が舞台ザンビでともに外に出て活動したことによる関係性の強化だけでなく、欅坂46としての魅力をどんどん伝えていこうという当事者意識が高まったことを私は感じていました(印象論でしか語れないのは、私の力不足です)。

思っているだけじゃなくて実際に行動に移せる人が必要

この言葉は非常に印象的です。実際に行動に移すというのは怖いものです。他人にどう思われるかわからないし、嫌われるかもしれない。わからないことだらけで一歩を踏み出しづらいというのもあります。ただ、思っているだけは何も考えていないのと一緒だと一蹴されてもおかしくないのです。アイドルの文脈で言うなら、内気で楽しくなさそうでギスギスしているような印象は、ファンや視聴者が受け取る身勝手な印象ですが(私はそんな印象はあまり持たずバラエティなどはゲラゲラ笑ってみていますが笑)、そうした印象を彼女たちが変えていく動きを見せなければ固定化された“事実”のように捉えられても文句は言えないという厳しい見方もできます。現代の大衆は事実がどうなっているかよりも、自分の信じたい見方を事実として捉える傾向にあるので、知らないうちに「本人も知らない僕が出来上がる」なんてこともよくあります。少し面倒なファンは放っておけば良いという考え方もありますが、結局、そのイメージが翳を落とし続けているのではないかとここ数ヶ月の様々な出来事を見ていて実感していました。だからこそ、受け身で判断されるよりも、自らが発信していくスタンスというのが欅坂46には特に重要だろうと思います。自分たちが描く欅坂46の未来とはどのようなもので、メンバーとはどういう関係性で接していきたいか(どう見せたいか)とか、ファンとはどのような交流をしていきたいか、といった当たり前のようで難しいビジョンを示してくれるだけでファンは安心します。このような雑誌で本人が思っていることを語る機会は貴重ですし、あかねんのファンだけでなく多くの欅坂46のファンが知るべき内容だろうと感じています。失敗して悔しくて泣きたくなって、苦しい時にため込んでしまってストレスを吐き出せない不器用なあかねんが少しでも報われることを祈念しています。ゆっかーとともに、2期生の魅力を引き出しながら引っ張っていけるような活躍が今後も見られることを期待しています。

 

以上